荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in TOKYO

六本木ヒルズのあそこ*1で明日から開催の原画展ですが、運良く内覧会に潜り込むことができましたので、感想を記しておきます。原画から技法等を読み取る技術は無いに等しい、会場は全面的に撮影禁止なので写真はカンバンくらいしか撮れない、ということをご了承の上で、よろしければお読みください。



私がジョジョを初めて目にしたのは週刊少年ジャンプに第4部が連載されていた時、ということもあって、どの部が好きかと考えるとやはり4部びいきになってしまうのですが、今回1〜8部の原画を順に追っていってその気持ちは変わることは特にありませんでした。筋骨隆々のジョナサンやディオらが独特のひねりを入れたポーズと鮮やかな配色によって表現するパワーと神秘性は第1部にして既に圧倒的で、年を経るごとにそれらが洗練されていきながらも同時に少年マンガとしてのカッコよさや愛嬌を獲得していく……その愛嬌が最も高まっていたのが第4部のあたりだと思うのですね。どモデル体型の登場人物が時におどけた表情と複雑なポーズで宙を舞って、背景や服には日本語が入っちゃっていたりする、そのおもしろな感じが私の好みのど真ん中なのかも知れません。コメディ要素が1番多いのが(ちょっと先が読めないジョジョリオンを除けば)第4部だということは大いに関係しているとは思いますが、コミックス表紙や扉絵の原画からも5部以降はおもしろ要素は抜けて表情のバリエーションも乏しくなっていく、その変遷が見えるようで寂しく感じてしまったのでした。
ただ2012年描き下ろしの原画にはクスッと笑えるようなものが結構あったのですが……こけしとか鯉とかはちょっと、ね、どうなんでしょう。新幹線「はやぶさ」の脇、ホームに立つブチャラティチームなんて見た日には、お弁当買い忘れてないか心配になっちゃいます。


画風の変遷を、原画という最上級の贅沢で味わい、そして自らの好みがどの時期にあるかを確認する、のも今回の「ジョジョ展」の楽しみの一つだと思います。というかそういう楽しみ方ならば私にも出来た。圧倒的眼福ッ!であったと断言できる展示でありました。まだ記憶と共に噴出する思いというものがいろいろあるのですが、今回はそっとしまっておいて……あとは箇条書きで適当に。


  • 原画の展示の合間あいまに劇中の登場人物やアイテムを模して作られた立体物が置かれていたのは、物語に少し入り込めたような感覚がして良かったです。ブラフォードの剣、2m近くもあったんだ!頭皮つよッ!なんて思ってしまいました。でも仗助くんは顔が中山秀征でした。
  • iPadを使った展示のほとんどは…どうでもいいものでした。ジョジョがネタ的に消化されるのをあまり快く思わない時があって(ネタによりますけど)、今回のデジタルなコンテンツの展示もそう感じる部分が結構ありまし……たね。ネタとしても技術も一歩足りないっつーか。
  • "JOJO in Paris"用原画等、荒木先生、海外がからむと明らかに気合が違う気が。
  • 荒木先生の仕事机に積まれた本……解剖アトラス、AKIRA2巻、水木しげるの世界妖怪事典、MONSTER2巻、あと1冊失念。
  • 物販では目的の物が無事買えました。WORKSとクリアファイルが会場限定、JOJOmenonは一般の書店で販売ありです。

*1:昨年のドラクエ展と同じ場所