ボーナスシナリオ1(『428』)

我孫子武丸氏が脚本を手がけた、いわゆる鈴音編。正式タイトル粗筋感想その他は以下に




タイトル:『春の風、鳴らない鈴』
難病のため渋谷中央病院に入院している遠藤亜智の妹、鈴音(CAST:小林涼子)。同じ病院に入院しており、病院の中庭に現れる鈴音の姿をいつも自分の病室から眺めては恋心を募らせる少年、風間拓也(CAST:須賀健太)。物語はこの2人の視点を行き来しながら(展開上鈴音が多め)進みます。選択肢はなく一方通行のシナリオ(JUMPはあるけど現時点では飛べない)。

いつもの通り病室の窓から鈴音を見ては中二病をこじらせていく拓也。意を決して彼女に話しかけようと中庭に出ると、彼女はいない…と思ったらあちらから声をかけてきた!なんて書き手が中二かと思うような展開で二人は会話を交わすように(…なんか違った気がする)。拓也と同じように難病を抱え入院している鈴音の境遇や心の持ち方などを自分と照らし合わせるうち、拓也の心境に変化が現れていくのでした。
一方で、周りの人に見えないところでひとり悩みを抱える鈴音。そこに突如現れた見覚えの無いナース(CAST:稲田えつこ)は全てを包み込むように鈴音を慰めてくれる…のですが夢。周りを不安にさせないよう笑顔をふりまくことに慣れてしまったが為に、赤ん坊のころに他界した母の幻にすがるしかなくなってしまった…とも取れてしまいますが、鈴音はこれをきっかけに拓也と話をしなければならないという気持ちになります。で、ナースの姿は建野編の回想で登場した遠藤琴音と同じだったということで。


適当なウソあらすじはこの辺にしておいて感想なんですけど。病気もろもろのくだりがやや複雑ではあるものの基本的にはわかりやすく泣かせ話でしかも短絡的とも取れる結果、おまけに読みきり故のシナリオの短さが相まりまして、まるでケータイ小説もしくは安いケータイ小説のような読み心地になってしまったような。と言いながらケータイ小説を読んだことはないんですけど。本編とのつながりも今ひとつ弱ったですしね。

個人的なみどころは、中盤にて鈴音と拓也の担当医、佐伯医師演じる大塚明夫さんが登場し小林さんと競演する場面ですね。ここにザ・ツインスネークスが実現!!…と思ってる人がどれだけいるかは知りません。でもこの前のシーンで鈴音は給食のワゴンに身を隠すというスニーキングを見せたりもしていました。