『ザ・テレビゲーム展 〜その発展を支えたイノベーション〜』

開催地は「国立科学博物館・産業技術史資料情報センター(日本橋、三井本館5F)」。日本橋のまんなかですよ、普段はドブの臭いのする通りを猫背で走り抜けるような生活しかしてない私からすればですよ、場違いも甚だしい場所ですよ。でもそこは肝を太くして観てきました。

プレ展示ということもあるのでしょうか、会場はそこまで広いものでもなく、ガラスケースに各ゲーム機が数点ずつ入れられているだけ…と言ってもいいような展示方法。日本産の家庭用ゲーム機はテレビゲーム関連の展示で過去に観たことが何度もあるようなものばかりで、特にまぁ…なのですが、テレビゲームの始祖とも言える3つの外国産展示物にはどきどきしてしまいましたね。とりあえずその3点だけ感想つけときます。

"Tennis for Two"

オシロスコープを利用してつくられた、世界初のビデオゲーム
見た目がまさにオシロスコープで、その丸いモニターには横から見たテニスの試合を模した点と線が映っていました。操作もこの本体で行うとすると、2人で1つのオシロスコープを見つめて同じ機械についたつまみをジリジリジリジリと動かすことに…なるんでしょうか。
でもきっとそれが、当時これをつくった彼らの熱中した風景だ…と想像すると、熱いものすらこみ上げてくるのでした。まじで。


"Brown Box"

テレビに映像を出力して遊ぶ、世界初の家庭用ビデオゲーム機とな。
…ですが、コントローラに4つあるつまみに付けられた名称の意味が全くわからない。縦横奥行きそれぞれの座標をコントロールするとして"VERTI"だか"VERTC"だかは縦座標っぽいからまぁわかる、けれどなぜ"ENGLISH"なんてつまみがあるのか。"HOR"ってなに?もう一つは何だっけ?このうやむやっぷりがまさにブラウンボックスでした。


"Odyssey"

世界初の量産型家庭用ビデオゲーム機なんですって。
特徴的なのが、ゲーム画面の表現力を補うため、テレビ画面に直接貼り付けて使うという半透明のシート。テニスゲームをする時はテニスコートが描かれたシートをテレビに貼り付けて遊ぶ、ということですか…なんと強引で素敵な手法でしょう。他にもアナログなデバイスとして、ゲーム中に使用するとおぼしきカードが付属してたようです。"Scene it?"(専用DVDを再生しながら遊ぶボードゲーム)みたいですな。
デジタルの技術が追いつかないところをアナログデバイスで補う、これは現代でももっと見たいものであります。



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